
夏場の事業ゴミにカラス・害虫を寄せない出し方|倉敷市の飲食店・店舗向け
「店舗裏のごみ置き場に虫が湧く」「朝来たら袋が破られて中身が散乱していた」——気温が上がる時期にいただくこうしたご相談は、置き場の設備を入れ替える前に、ごみをいつ外に出して、いつ回収されるかという時間の組み立てを見直すだけで、かなりの部分が収まります。カラスも害虫も、ごみが屋外に置かれている時間が長いほど寄ってくるからです。この記事では、倉敷市で事業ごみの定期回収を行うファーストサービスが、暑い時期に見直したい3つのポイントと、ネットや容器を使うときの条件を、国と自治体の公開資料をもとに整理します。
カラスも害虫も「置かれている時間」で寄ってくる
カラス対策には「物理的な遮断」と「時間的な遮断」がある
環境省が公開している「自治体担当者のためのカラス対策マニュアル」は、生ごみを食い荒らされないための方法を、蓋付き容器やネットなどでごみに近づけなくする物理的な遮断と、カラスが活動しない時間に回収してしまう時間的な遮断の2つに整理しています。
同マニュアルは、カラスは日の出の30分ほど前から活動を始めるとしたうえで、「深夜に営業を終えごみを出して帰宅してしまう飲食店の生ごみは、ハシブトガラスにとって格好の食べ物となります」と述べ、「ごみが集積所に置かれている時間が長いほど、カラスによる散乱を受けやすい」と説明しています。閉店後に外へ出したごみが翌朝までに荒らされるのは、飲食店で最も起こりやすいパターンだということです。
ハエは「何日で手放すか」で結果が変わる
虫の側も同じで、鍵になるのは日数です。豊島区(生活衛生課)は、ハエの発生場所と駆除方法について「1週間以内にゴミ・厨芥・糞を処分すれば、卵を産みつけられても成虫が羽化することはありません」と説明し、防除の基本は発生源をなくす清掃で、殺虫剤は補助的に使うものだとしています。
つまり、殺虫剤やにおい対策のグッズを増やすより先に、▶ 生ごみが店舗に留まっている日数そのものを縮めるほうが、対策としては筋が通っています。以下の3点は、いずれもその日数と時間を縮めるための見直しです。
見直し① 外に出すのは「回収の直前」に寄せる
まず変えられるのが、屋外に出すタイミングです。事業活動に伴って出たごみは、法人・個人や事業規模を問わず「事業ごみ」にあたり、倉敷市も事業ごみはごみステーションに出せないと明示しています(事業ごみは、産業廃棄物に当たるものと、それ以外の事業系一般廃棄物・資源化物に分かれます。区分は記事の後半で触れます)。裏を返せば、地域の収集時刻に合わせる必要がなく、自分の敷地で回収を待つ以上、出す時間は自分で決められるということです。ここが家庭ごみとの一番の違いで、対策の余地でもあります。
その前提で見直したいのが、閉店後にそのまま外へ出して帰る運用です。深夜に出せば、カラスが動き出す夜明け前まで数時間、屋外に置きっぱなしになります。営業終了後は蓋付きの容器で屋内または囲いのある場所にまとめ、回収の直前に出すだけで、屋外にある時間は大きく縮みます。屋内に置くスペースがない場合は、密閉できる容器に移して屋外の置き場に置き、袋のまま床に置かない運用にします。置き場そのものの作り方は事業ゴミの保管場所・置き場づくりで気をつけることで、施錠して回収時に誰が開けるかという運用は事業ゴミの置き場に鍵をかけるべきかで詳しく解説しています。
回収の時間帯そのものを動かせないかも、あわせて業者に相談してみてください。ファーストサービスは倉敷市に特化した自社便のルートで回収しているため、開店前や閉店後など、店舗の営業時間に合わせた時間調整のご相談もお受けしています。
見直し② 回収頻度は「何日分溜まるか」から決める
次が頻度です。判断の軸は「1回にどれだけ出るか」だけでなく、置き場に何日分置けるかと、生ごみを何日で手放せているかの2つです。前述のとおり、1週間以内に処分できていれば羽化しないというのが豊島区の説明でしたので、生ごみを1週間以内に手放せているかは一つの判断材料になります。涼しい時期に週1回で回っていた店舗でも、暑い時期は同じ頻度では追いつかないことがあります。
見落としやすいのが連休です。自分で市の施設へ運ぶ自己搬入で対応している場合、たとえば倉敷市(真備地区を除く)のごみを受け入れている倉敷西部クリーンセンターは、搬入できる日が月曜~金曜8時45分~16時30分、土曜8時45分~14時で、日曜日と年末年始は搬入できません(いずれも祝日は搬入できる日に含まれます)。連休をはさむと、その分だけ店舗に生ごみが留まることになります。真備地区は吉備路クリーンセンターの扱いになります。
頻度と曜日の決め方は事業ゴミの回収頻度と曜日の決め方で手順を整理していますので、あわせてご覧ください。
見直し③ 出す前の「水切り」と「見せない」
3つ目は、出す前のひと手間です。倉敷市が事業者向けに作成している冊子「Let’sスリム」は、事業ごみの約40%は厨芥類(生ごみ)で、生ごみの90%が水分だとして、水切りをしっかりして減量することを呼びかけています。水分は腐敗とにおいの元であると同時に、そのまま重さになります。
重さが効くのは、倉敷市の事業ごみの処理手数料が重量制だからです。市の施設に直接自己搬入した場合の処理手数料は10kgあたり170円(令和7年4月1日から改定)で、倉敷西部クリーンセンターでは10kg未満の端数を10kgとみなすとしています。なお、これは市の施設で処理するときの手数料で、収集運搬の料金とは別のものです。
もう一点が「見せない」ことです。名古屋市は、カラスは主に視覚でえさを探し、とくに赤っぽいものや濡れたものを狙うため、生ごみだけを新聞紙や紙袋で包んで外から中身が見えないようにするのも効果的だと説明しています。透明の袋に生ごみが露出したまま外に置く運用は、カラスに向けて中身を掲示しているのと同じことになります。
ネットや容器で遮るときに外せない条件
物理的に遮る場合も、使い方を誤ると効果が出ません。前出の環境省のマニュアルは、ネットについて次の点を挙げています。
▶ 目の大きさ
ネットの目は5mm目以下の細かいものが有効で、3cm目では嘴の太いハシブトガラスでも嘴が入ってしまうとされています。
▶ 風で浮かないようにする
目の細かい3〜4mm目のものは軽く、風にあおられて下から頭を入れられることがあるため、縁に錘を入れる、一部に重しをするなどの工夫が要ります。
▶ はみ出させない・上に置かない
ごみをネットでしっかり覆い、ネットの上にごみを置いたり、ごみの一部がネットからはみ出したりしないようにします。破れたら繕うメンテナンスも必要です。
あわせて押さえておきたいのが、光るものなどで脅す方法の限界です。同マニュアルは、CDをぶら下げる、きらきら光るテープを使うといった間接的な方法は、学習能力の高いカラスが慣れてしまい、日常的にあちこちにあれば効果がなくなるうえ、かえって「そこに食べ物がある」という目印になりかねないと指摘しています。設備で解決しようとするほど、時間の設計から目が離れやすくなる点には注意が必要です。
においの元が「事業系一般廃棄物」とは限らない
最後に区分の話です。においや虫の発生源になりやすいものの中には、事業系一般廃棄物として回収できないものが混じります。
飲み残しが残った缶は金属くず、びんはガラスくず、ペットボトルなどのプラスチック製品は廃プラスチック類で、いずれも業種を問わず産業廃棄物です(廃プラスチック類は廃棄物処理法第2条第4項第1号、金属くず・ガラスくずは同法施行令第2条)。なお倉敷市は、事業活動に伴って生じた紙類・空き缶・びん・ペットボトルなどの資源化物について、市の処理施設では受け入れておらず、再生資源業者に処理を依頼するよう案内しています(紙くずは業種によって区分が変わり、飲食店や小売店から出る紙ごみは事業系一般廃棄物にあたります)。
飲食店でとくに注意したいのが、グリーストラップから回収した油脂・汚泥です。倉敷市は、これらは産業廃棄物に該当するため、一般廃棄物として市の処理施設に搬入できないと明示しています。においが強く、暑い時期は特に気になる部分ですが、通常の事業ごみの回収に混ぜることはできません。区分の考え方は事業系一般廃棄物と産業廃棄物の違いで解説しています。
倉敷市の店舗の事業ゴミはファーストサービスへ
ここまでの3点は、いずれも「ごみが屋外にある時間」と「店舗に留まる日数」を縮めるための見直しです。出すタイミングと回収頻度を実態に合わせても改善しない場合は、置き場の位置や容器、契約している回収の設計そのものを見直す段階かもしれません。
事業系一般廃棄物の収集運搬を委託できるのは、その市町村の一般廃棄物収集運搬業の許可を受けた業者です。許可は市町村ごとに必要で、産業廃棄物収集運搬業の許可だけでは事業系一般廃棄物を運ぶことはできません。ファーストサービスは、倉敷市の一般廃棄物収集運搬業と、岡山県の産業廃棄物収集運搬業の両方の許可を持っています(お引き受けできる品目はご相談ください)。
倉敷市に特化した自社便ルートで、飲食店・カフェ・小売店・オフィス・施設の事業ごみを定期回収しています。「夏の間だけ頻度を上げたい」「回収の時間帯を営業に合わせたい」「置き場ごと見直したい」といったご相談も承ります。衛生管理の全体像は倉敷市の飲食店が衛生管理で押さえるべきゴミ対策、生ごみの回収については飲食店の生ゴミ問題を定期回収で解決する方法もあわせてご覧ください。ほかの記事は飲食店・カフェのゴミ回収のカテゴリからご覧いただけます。
参考にした公開資料
- 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」「同法施行令」(e-Gov法令検索)
- 環境省「自治体担当者のためのカラス対策マニュアル」(対策編「5.カラス問題とごみ対策」)
- 倉敷市「事業ごみの処理手数料」
- 倉敷市「事業活動に伴って排出されるごみの出し方」
- 倉敷市「Let’sスリム 〜事業ごみの減量とリサイクル〜」(PDF)
- 倉敷西部クリーンセンター「ごみの搬入方法」
- 豊島区「ハエ」
- 名古屋市「カラスにごみを荒らされないための対策」

