
事業ゴミの置き場に鍵をかけるべきか|他人に捨てられたときの責任|倉敷市
事業ゴミの置き場に鍵をかけるべきか、というご相談をいただくことがあります。防犯上の好みの問題に見えますが、実際には「置き場に入れられたごみを、最後に誰が片付けるのか」という費用と責任の話です。そしてもうひとつ、鍵をかけた置き場では必ず「回収のときに誰が開けるのか」を決めておかなければなりません。この記事では、倉敷市で事業ゴミの定期回収を行うファーストサービスが、施錠するかどうかの判断軸と、施錠したあとの運用の決め方を整理します。
鍵の要否は「捨てられたときに誰が困るか」で決まる
ごみを捨てる行為そのものは、廃棄物処理法第16条が「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」と定めています。無断で他人の保管場所に廃棄物を投げ入れる行為も、態様によってはこの「みだりに捨てる」にあたり得ます。違反した場合の罰則は同法第25条第1項(第14号)で、5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその併科です。法人の業務に関して行われた場合は、同法第32条第1項第1号により法人にも3億円以下の罰金が科されます。捨てた側の責任は、決して軽いものではありません。
問題は、捨てた人が分からないケースがほとんどだということです。夜間に置き場へ入れられた袋の持ち主を特定するのは現実的ではなく、結果として、そのごみを片付けるのは置き場を管理している事業者になります。廃棄物処理法第5条第1項も「土地又は建物の占有者(占有者がない場合には、管理者とする。以下同じ。)は、その占有し、又は管理する土地又は建物の清潔を保つように努めなければならない」と定めています。
つまり施錠は、防犯対策というより「自社が負わなくてよい処分費と手間を、負わずに済ませるための管理策」です。判断するときは「鍵が必要か」ではなく「入れられたら自社が困るか」で考えると整理しやすくなります。
鍵を検討したほうがよい置き場・鍵以外で回る置き場
施錠を検討したい条件
次のような条件が重なる置き場は、施錠を検討する価値があります。
▶ 道路・駐車場・共用通路から誰でも近づける位置にある
▶ 住宅と店舗が混在する立地で、家庭ごみと見分けがつきにくい
▶ 夜間・休業日に人がいない時間が長い
▶ 回収までの日数が空き、容器が空のまま置かれる時間帯がある
▶ 段ボール・古紙・金属くずなど、値がつく資材をまとめて置いている
住宅地と店舗が近い立地の注意点は倉敷市・中庄/茶屋町の事業ゴミでも触れています。
鍵より先に効くことがある
いっぽうで、鍵をかけなくても入れられにくくなる工夫はあります。蓋のある容器や扉付きのボックスに替えて「そもそも投げ入れられる形にしない」、前夜から出さずに回収時間に合わせて出す、置き場の照明と見通しを確保する、事業所の保管場所である旨を掲示する、といった対応です。置き場そのものの設計は事業ゴミの保管場所・置き場づくりで気をつけることにまとめています。容器が満杯で外にあふれている状態は、それ自体が「ここに置いてよい場所」という合図になってしまうため、回収頻度と曜日の見直しが先に効く場合もあります。
施錠したら「誰が開けるか」を必ず決める
実務でつまずくのはここです。事業ゴミの回収は早朝や開店前の時間帯に入ることが多く、鍵がかかったままだとその日の回収が空振りになります。1回飛べば次の回収日まで容器は満杯のままで、あふれた分がまた外に出る、という悪循環になりがちです。
契約の段階で、少なくとも次の3点を決めておくことをおすすめします。
▶ 開錠の担当者:開店担当・施設管理者・管理会社のうち誰が、何時までに開けるのか
▶ 回収業者への渡し方:南京錠の鍵を預けるのか、キーボックスの暗証番号を共有するのか、回収時間に合わせて開けておくのか
▶ 更新のルール:退職者が出たとき、テナントが入れ替わったときに、暗証番号や合鍵をどう回収・変更するか
連休や年末年始は、開ける人がいない日が続きます。止まる期間の備えは年末年始・連休の事業ゴミで解説しました。委託先を変えるときも、置き場の鍵の返却は回収業者を乗り換えるときの注意点で挙げた確認項目のひとつです(暗証番号を共有している場合は、あわせて変更してください)。
入れられてしまったごみの扱い
実際に見知らぬごみが入っていたとき、そのまま自社の事業ゴミとして出せるとは限りません。確認しておきたいのは次の2点です。
▶ 家庭から出たごみが混ざっていないか
近隣の住民が持ち込んだ生活ごみは家庭系の一般廃棄物で、市の収集の対象です。事業所が委託している事業ゴミの回収に混ぜて出すものではありません。倉敷市も「法人・個人、営利・非営利、事業規模の大小に関わらず、事業活動に伴って排出される『事業ごみ』は、ごみステーションに出すことはできません」と示しており、事業ごみと家庭ごみは行き先が別だという前提は、逆向きでも同じです。
▶ 産業廃棄物にあたるものが入っていないか
区分は「どこから出たか」ではなく素材で切ります。廃プラスチック類・金属くず・ガラスくずなどは業種を問わず産業廃棄物にあたるため、事業系一般廃棄物の回収にまとめて混ぜることはできません。詳しくは事業系一般廃棄物と産業廃棄物の違いをご覧ください。
繰り返される場合や量が多い場合は、日時と状況が分かる写真を残したうえで市に相談してください。廃棄物処理法第5条第2項は、土地の所有者・占有者が、自ら所有・占有または管理する土地において、他の者によって不適正に処理された廃棄物と認められるものを発見したときに、速やかに都道府県知事または市町村長へ通報するよう努める旨を定めています。倉敷市の窓口は環境局資源循環部の廃棄物対策課です。
倉敷市の事業ゴミの置き場運用はファーストサービスへ
ファーストサービスは、倉敷市の一般廃棄物収集運搬業と、岡山県の産業廃棄物収集運搬業の両方の許可を持っています(お引き受けできる品目はご相談ください)。事業系一般廃棄物の収集運搬の許可は市町村ごとに必要で、他市の許可では倉敷市内の事業ゴミを運ぶことはできません。委託先を選ぶときは、倉敷市の許可を持っているかを必ずご確認ください。
倉敷市特化の自社便ルートで定期回収を行っているため、「何時ごろ回収に伺うか」「鍵はどう受け渡すか」まで含めて運用を決められます。施錠したまま回収が空振りになる、逆に開けっぱなしで他人のごみが入る、といった状態にお心当たりがあれば、置き場の状況をうかがったうえでご提案します。ほかの記事は事業ゴミの基礎知識からご覧いただけます。
出典:条文は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(e-Gov法令検索)によります。倉敷市の記載は倉敷市ホームページ「事業活動に伴って排出されるごみの出し方」によります。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています。

