
オフィスの機密書類はどう処分する?事業系一般廃棄物としての紙の扱い|倉敷市
オフィスの機密書類の処分には、通常の事業ゴミとは別の考え方が必要です。契約書や顧客名簿、退職者の人事ファイルなど、捨てたいけれどそのまま出すのは避けたい紙が、どの事業所にも溜まっていきます。この記事では、機密書類が廃棄物としてどう扱われるのか、シュレッダー・溶解処理・古紙リサイクルの違いはどこにあるのかを、倉敷市のルールと廃棄物処理法にもとづいて整理します。倉敷市で事業ゴミの定期回収を行うファーストサービスが、委託先を選ぶときの確認点までまとめました。
オフィスの紙は「産業廃棄物」ではないことが多い
まず押さえておきたいのが、書類が法律上どちらの廃棄物に当たるかです。「紙くず=産業廃棄物」と思われがちですが、実際は逆で、紙くずが産業廃棄物になるのは業種が限られています。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第2条第1号では、産業廃棄物となる紙くずを「建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものに限る。)、パルプ、紙又は紙加工品の製造業、新聞業(新聞巻取紙を使用して印刷発行を行うものに限る。)、出版業(印刷出版を行うものに限る。)、製本業及び印刷物加工業に係るもの」等に限定しています。
つまり、一般的な事務所・店舗・士業事務所などから出る書類は、この業種に当たらない限り事業系一般廃棄物として扱うことになります。倉敷市も、事業系一般廃棄物を「事業活動に伴って生じた廃棄物で産業廃棄物(20品目)に該当しないもの」と説明しています。事業系一般廃棄物と産業廃棄物の線引き全般は事業系一般廃棄物と産業廃棄物の違いで詳しく解説しています。
やってはいけない捨て方
▶ ごみステーションに出す
倉敷市は「法人・個人、営利・非営利、事業規模の大小に関わらず、事業活動に伴って排出される『事業ごみ』は、ごみステーションに出すことはできません」と明示しています。書類の量が少なくても例外にはなりません。
▶ 従業員が自宅に持ち帰って捨てる
出どころが事業活動である以上、持ち帰っても家庭ごみにはなりません。機密書類を社外に持ち出すこと自体が情報管理上のリスクにもなります。
▶ 許可を確認せずに「無料回収」に渡す
処理の責任は排出した事業者に残ります。廃棄物処理法第3条第1項は「事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない」と定めており、倉敷市廃棄物の処理及び清掃に関する条例第5条第1項にも同趣旨の規定があります。委託先が適正でなければ、責任は委託した側に返ってきます。
機密書類を処分する3つのルート
① 社内でシュレッダーにかけてから出す
もっとも一般的な方法です。ただし、細断しても廃棄物であることは変わりません。そして倉敷市では、事業活動に伴って生じた「紙類(シュレッダー含む)」は資源化物として扱われ、市処理施設での受入れを行っていません。市は、それぞれの資源化物のリサイクルを行っている「再生資源業者」に処理依頼を行うよう案内しています(倉敷市ホームページ「事業活動に伴って排出されるごみの出し方」)。細断すれば市の施設へ持ち込める、という話ではないということです。
注意点は3つあります。ひとつは、量が多いと作業負担が大きく、結局「あとで」と溜め込んでしまうこと。ふたつめは、細断した紙は繊維が短くなるため、古紙としての再生利用に回しにくくなる場合があること。みっつめは、細断くずが袋の中で膨らみ、保管スペースを取ることです。保管の考え方は事業ゴミの保管場所・置き場づくりで気をつけることも参考にしてください。
② 未開封のまま溶解処理に回す
箱に詰めたまま搬出し、中身を開けずに溶解して製紙原料にする方法です。社内で開封・仕分けをしない分、目に触れる機会が減るのが利点で、処理後に証明書が発行されるサービスもあります。
一方で、封をした箱の中に紙以外のもの(バインダーの金具、クリアファイル、CD-Rなど)が混ざっていると受け入れられないことがあります。受け入れ条件は事業者ごとに異なるため、箱詰めのルールを事前に確認してから社内に周知するのが確実です。
③ 古紙としてリサイクルに回す
機密性の低い書類であれば、古紙リサイクルのルートに乗せる選択もあります。ここで知っておきたいのが、廃棄物処理法第7条第1項のただし書です。一般廃棄物の収集運搬は市町村長の許可が必要ですが、「専ら再生利用の目的となる一般廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者」は許可を要しないと定められています。古紙回収の事業者が一般廃棄物収集運搬業の許可業者一覧に載っていないことがあるのは、こうした規定や、有価で取引される場合の扱いなど、通常の事業ゴミとは事情が異なるためです。
ただし、これはあくまで再生利用に回るものだけを集める場合の話です。事務所から出る雑ごみや、紙以外の廃棄物を一緒に持って行ってもらうなら、その部分は通常の事業系一般廃棄物であり、市町村の許可を受けた業者への委託が必要になります。「古紙も回収しているから、他のゴミもまとめてお願いできる」と考えないでください。
委託先を選ぶときに確認したいこと
機密保持と適正処理は、どちらか一方だけでは足りません。委託先の候補に対して次の点を確認しておくと、社内の説明もしやすくなります。なお、どこまで対応できるかは事業者によって異なりますので、当社を含め、依頼先ごとに確認してください。
- 倉敷市の一般廃棄物収集運搬業の許可があるか。この許可は市町村ごとに必要で、他市の許可では倉敷市内の事業ゴミを運べません
- 委託契約書を交わせるか。記載事項や保存義務は事業ゴミの委託契約書の書き方にまとめています
- 搬出時の立会いができるか。誰が、いつ、どこから運び出すのかを決めておく
- 保管中の管理。回収日までどこに置くのか、施錠できるのか
- 処理後の証明。溶解処理などで証明書が必要なら、事前に発行の可否を確認する
倉敷市で処分する場合の実務
倉敷市の説明では、事業系一般廃棄物は「市施設への直接自己搬入」または「一般廃棄物(ごみ)収集運搬業許可業者への収集運搬委託」のいずれかで処理することになります。自己搬入する場合の処理手数料は、倉敷市ホームページ「事業ごみの処理手数料」によると令和7年4月1日から10kgあたり170円に改定されています(それまでは153円)。なお真備地区は吉備路クリーンセンターが受け入れ先となり、手数料の体系が異なります。
ただし前述のとおり、紙類(シュレッダー含む)は資源化物として市処理施設の受入れ対象外です。書類そのものは、この「自己搬入か委託か」の2択の外側にあると考えてください。汚れて資源化できない紙が混ざっている場合など、判断に迷うケースは排出前に確認しておくと確実です。
いずれにしても、機密書類は自社で運ぶと車内での紛失リスクが生じます。厨芥類や一般の事業ゴミと合わせて、書類をどのルートで出すのかを決めておくほうが、社内の運用としては管理しやすくなります。
ファーストサービスは倉敷市に特化し、自社便のルートで定期回収を行っている一般廃棄物収集運搬業の許可業者です。書類整理の時期にまとまって出る紙も、通常の事業ゴミとあわせて計画的に引き取ります。オフィス移転や事務所の縮小に伴って大量に出る場合の考え方はオフィス移転・店舗閉店時に出る事業ゴミの処分方法を、費用の決まり方は事業ゴミの回収料金の決まり方をご覧ください。
まとめ
オフィスから出る機密書類は、業種によっては産業廃棄物になりますが、多くの事業所では事業系一般廃棄物です。ごみステーションには出せません。そして倉敷市では紙類(シュレッダー含む)が資源化物として市処理施設の受入れ対象外になっているため、「細断して市に持ち込む」という選択肢は取れません。シュレッダー・溶解処理・古紙リサイクルはそれぞれ性質が違い、「機密性をどこまで担保したいか」と「その紙が再生利用に回るか」で選び分けるのが実務的です。判断に迷う書類があれば、量と種類をうかがったうえでご提案します。
出典:倉敷市ホームページ「事業活動に伴って排出されるごみの出し方」、倉敷市ホームページ「事業ごみの処理手数料」。条文は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」および同法施行令(e-Gov法令検索)によります。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています。
紙類が市の処理施設で受け入れられない点を含め、持ち込みの実務は倉敷市の事業ごみの持ち込み(自己搬入)と定期回収の使い分けもあわせてご覧ください。


