
飲食店の食品ロスを減らすと事業ごみはどう変わる?仕込みと在庫の見直し|倉敷市
仕込みすぎた料理や、使い切れずに期限が切れた食材は、そのまま事業ごみの「重さ」になります。倉敷市の事業系一般廃棄物の処理手数料は重さで決まる仕組み(10kgあたり170円・令和7年4月1日から)なので、食品ロスを減らすことは、ごみの量を減らすだけでなく、契約の方式によっては費用の見直しにもつながります。
この記事では、倉敷市の飲食店オーナー・店長の方に向けて、仕込みと在庫の回し方のどこを見直すと捨てる量が減るのか、減ったあとに回収の契約をどう見直すかを整理します。
食品ロスとは|飲食店に求められていること
2019年に施行された「食品ロスの削減の推進に関する法律」は、食品ロスの削減を「まだ食べることができる食品が廃棄されないようにするための社会的な取組」と定めています(第2条第2項)。そのうえで第5条は、事業者に対し、国や自治体の施策に協力し、食品ロスの削減に積極的に取り組むよう努めることを求めています。この法律の事業者の責務は罰則のある義務ではなく努力義務ですが、飲食店は食材の仕入れから提供までを自分で管理しているぶん、取り組める余地の大きい業種です。
倉敷市の条例(倉敷市廃棄物の処理及び清掃に関する条例第5条第1項)も、事業者に対して、事業活動に伴って出る廃棄物の排出を抑え、減量に努めることを求めています(同じ項では、事業者は「自ら廃棄物を適正に処理しなければならない」とも定めています)。食品ロスを減らすことは、この「排出の抑制」に直結する取り組みです。
飲食店で食品ロスが生まれる3つの場面
① 仕込みの段階:出なかった分がそのまま残る
ランチの日替わりや作り置きの惣菜は、見込んだ数が出なければ閉店後に残ります。天候や曜日、近くのイベントで客数が読みにくい店ほど、「足りなくなるよりは」と多めに仕込みがちです。
② 在庫の段階:使い切る前に期限が来る
まとめ買いで単価を下げた食材や、季節メニュー用に仕入れた食材は、メニューの入れ替えや売れ行きの変化で使い道がなくなることがあります。冷蔵庫の奥に入った食材が、気づいたときには期限切れになっている——というのもよくある形です。
③ 提供の段階:食べ残しとして戻ってくる
盛り付けの量がお客様に合っていない、セットの付け合わせがいつも残る、といった場合は、下げた皿の中身がそのままごみになります。
仕込みと在庫の回し方で見直したいところ
どれも特別な設備は要りません。一般的に取り組まれている工夫の中から、ごみの量に効きやすいものを挙げます。
▶ 出数を記録して仕込み量を決める
メニューごとの出数を、曜日・天候・予約の有無と一緒に記録しておくと、「この条件ならこのくらい」という目安が作れます。勘で多めに仕込む分が減れば、閉店後に残る量も減ります。
▶ 仕込みを分けて、売れ行きを見て追加する
一度に全量を仕込まず、ピーク前と売れ行きを見たあとの2回に分けると、読み違えたときの残りが小さくなります。
▶ 在庫は「日付ラベル+先に入れたものから使う」
開封日や仕入れ日を書いたラベルを貼り、古いものが手前に来るように並べます。発注の前に在庫を見る習慣をつけるだけでも、同じ食材の二重買いが防げます。
▶ 端材の使い道を決めておく
野菜の切れ端や余った食材を、まかないやスープ、別メニューに回す段取りを決めておくと、捨てる前に使う流れができます。
▶ 量を選べるメニューにする
小盛りやハーフサイズを用意すると、食べきれない量を出すことが減ります。
倉敷市は、食品ロス削減に取り組む市内の飲食店や食品小売店等を「くらしき食品ロスゼロ推進店」として認定し、市のホームページで取組内容を紹介しています。市の案内では、取組の例として「少量メニューの設定、持ち帰り容器の用意」(食べ残しを出さない取組)や「食材の使い切り、売れ行きによる製造調整」(製造・販売段階での取組)などが挙げられています。自店の取り組みを整理するときの参考になります。詳しくは倉敷市「くらしき食品ロスゼロ推進店」をご確認ください。
ごみが減ったら、回収の組み方も見直す
食品ロスが減ると、まず生ごみの量が変わります。その変化を回収の契約にも反映させると、取り組みの効果が費用の面でも見えやすくなります。
▶ 手数料は「重さ」で決まる
倉敷市の事業系一般廃棄物の処理手数料は、令和7年4月1日から10kgあたり170円です(真備地区の吉備路クリーンセンターは別建てです)。これは市の施設で処理するときの手数料で、収集運搬の料金とは別のものですが、処理する量が減れば、この部分も小さくなっていきます(10kg未満の端数は10kgとして計算されるため、少し減っただけでは変わらないこともあります)。
▶ 料金の方式によって効き方が違う
出した量に応じて払う従量制なら、減った分がそのまま請求に表れやすくなります。月額の定額制では、量が減っても自動的には金額が変わらないため、実際の排出量と契約内容を定期的に突き合わせることが大切です。方式ごとの考え方は事業ゴミの回収料金の決まり方|従量制と定額制で解説しています。
▶ 回収頻度は「置き場に何日分置けるか」とセットで考える
量が減っても、生ごみは夏場ににおいや虫の原因になるため、単純に回数を減らせばよいとは限りません。排出量の記録と、置き場に何日分を衛生的に置けるかの両方から逆算するのが基本です。詳しくは事業ゴミの回収頻度と曜日の決め方をご覧ください。
捨てるときの線引き|食品と容器は区分が違う
減らす努力をしても、捨てる食品はゼロにはなりません。出すときの区分も確認しておきましょう。
飲食店から出る調理くずや食べ残し、期限切れの食材は、原則として事業系一般廃棄物です。倉敷市も事業系一般廃棄物の例として「飲食店の厨芥類」を挙げています。食品などの動植物性残さが産業廃棄物になるのは、食料品製造業など特定の業種から出る場合に限られます。
一方で、期限切れの食材をプラスチックの容器や袋に入ったまま捨てる場合は注意が必要です。廃プラスチック類は業種を問わず産業廃棄物(廃棄物処理法第2条第4項第1号)なので、食品と容器は分けて出すのが基本です。缶詰の缶(金属くず)や瓶詰の瓶(ガラスくず)も、業種を問わず産業廃棄物です(廃棄物処理法施行令第2条第6号・第7号)。また、使用済みの揚げ油などの食用油も、捨てる場合は産業廃棄物の「廃油」にあたるため、生ごみと一緒には出せません。区分の考え方はコンビニ・スーパーの廃棄物処理|産業廃棄物と事業系一般廃棄物の区分でも詳しく整理しています。
倉敷市は、事業規模の大小にかかわらず事業ごみはごみステーションに出せないと案内しています。事業系一般廃棄物は、市の施設へ自分で搬入するか、倉敷市の一般廃棄物収集運搬業の許可業者に収集運搬を委託して処理します。
倉敷市の飲食店の事業ごみはファーストサービスへ
事業系一般廃棄物の収集運搬を委託できるのは、原則としてその市町村の一般廃棄物収集運搬業の許可を受けた業者です。この許可は市町村長が出すもので、産業廃棄物収集運搬業の許可とは別のものです。産廃の許可だけでは、飲食店の生ごみなどの事業系一般廃棄物は扱えません。
なお、産業廃棄物については、倉敷市は、市内で産業廃棄物の処分業を行う者は倉敷市長の許可を、収集運搬業を行う者は「倉敷市長又は岡山県知事の許可を受ける必要があります」と案内しています。つまり倉敷市内での産業廃棄物の収集運搬は、岡山県知事の許可でも倉敷市長の許可でも受託できます。
ファーストサービスは、倉敷市の一般廃棄物収集運搬業と、岡山県の産業廃棄物収集運搬業の両方の許可を持っています(お引き受けできる品目はご相談ください)。倉敷市に特化し、自社便のルートで定期回収を組んでいますので、食品ロスの取り組みで量が変わったときの頻度や曜日の見直しもご相談いただけます。生ごみの出し方は飲食店の生ゴミ問題を定期回収で解決する方法もあわせてご覧ください。
お見積りの際は、出るごみの品目と量(1回あたりの袋の数や容器の大きさ)、営業日と仕込みのサイクルをお知らせいただければ、回収の組み方をご提案します。
